「いや、俺たち4人と前野さんだけ、後必要なら由似ちゃんの女の子の同期2人には協力を頼みたいから、由似ちゃん次第で事情を話す予定」
「一応、交通事故って事で、会社には言ってもらってるんだ……」
アタシが苦笑して言うと
悠人先輩と貴梨香が苦しそうな顔をした。
そうだった、可児先輩に
言わなければならないことがあった。
気が進まないけれど
言っておかないと
次の対策を考えられなくなるから……。
「可児先輩、……アタシダメでした」
「……もしかして、悠人?」
アタシは、返事の代わりに頷いた。
「悠人でダメなら、太蔵なんて絶対無理だったな……、やっぱり教育担当代えて正解か……」
「はい……」
本当に、先輩の言う通りだった。
前野さんと外で話した時
アタシは気付いてなかったけれど
かなり震えていたらしい。
病院でも、街中でも
知らない男の人はすれ違う時の緊張が
目に見えてわかるレベルで……。
「……」
あと一週間で
大丈夫そうに見える所まで
戻れるのだろうか?