強引に塞がれた唇から
舌が差し込まれて……。
!?
「……んっ」
この人、……ヤバい。
メチャクチャKISSが上手い。
ヤだ、ちょっと待って? 怖い
気持ちが良すぎて
このまま流されそうに、なる。
「……っ」
もう、不倫とか、ワンナイトとか
不毛な恋はしたくない、のに……。
胸が苦しくなって
目の奥がどんどん熱くなる。
「……えっ?」
驚いた、加藤部長が
困惑した顔で
涙を流すわたしを見下ろした。
「……あんな風に誘って、何故、あなたが泣くんですか?」
さ、誘った!?
「えっ? 何ですか、それ?」
わたしは、あわてて頭を横に振った。
帰ろうとしていたのに
誘うとか、するわけない。
「えっ? ……えぇっ!?」
思い切り目を見開いた、加藤部長が
わたしの顔を覗き込む。


