「……ほ、本当に大丈夫ですよ?」
出来れば、肩に置いた手を
放してほしい。
「いや、……危ないと思います、えっと、……色々」
「……」
色々? とは、どう言う意味だろう?
「……」
気になって、わたしは
加藤部長の顔を見つめた。
「……っ」
見つめていると、困ったように
目を伏せる加藤部長が目の前にいて
「加藤さん?」
わたしは気になって
加藤部長の顔を覗き込む。
「……」
ワインのせいだろうか?
彼の顔が少し顔が赤い気がする。
力なく上げられた目線が
覗き込んだわたしと合い
真っ直ぐと見つめ返してきた。
「――…月森さんは、その……」
「……?」
こんなに近くで、加藤部長の顔を
見ることはないだろうな、と言うくらい
直ぐ近くに彼の顔があった。


