「……」
こんな風に言ってもらえたのは初めてで
わたしの顔が、どんどん熱くなってゆき
恥ずかしくて、顔を上げられない。
もの凄い直球を
胸の奥に投げ込まれた気分。
いつもは、こんな会話にも
ならないから、気恥ずかしいな……。
「……えっと、なんか偉そうに、すみません」
「……いえ、こちらこそ、嫌な聞き方をしてしまったので」
しーん
「……」
何か話さないと、変な雰囲気になってしまう。
顔を上げると、ちょうどこちらを見た
加藤部長と目があった。
今日、何度となく見た
無邪気な笑顔ではなく、無表情に近い
男の人らしい精悍な……。
「……」
あぁ、やっぱり、この人は
カッコいい人なんだわ……。
熱くなる頬を、隠すように
わたしはまた下を向く。
食べてしまわないと、帰れないから
そのまま一口
ハンバーグを頬張った。


