二人でワインを開けて
作った料理の味を確認する。
「……ん! 美味しい、自分で作るとこんな旨いんだ?」
まるで子供みたいに
目を輝かせて、加藤部長は
ハンバーグをまた頬張る。
「作ると、外食より安くて、自分好みに出来るからいいですよね?」
なんだかんだ、夕飯が
無料なご馳走になって
わたしは、ラッキーかも知れない。
教えたとはいえ
お礼は言った方がいいかしら?
「あの、加藤さん、……教えたとは言え、このまま夕飯をご馳走になってしまって、ありがとうございます、かえって申し訳ありませんでした」
きょとんと、止まって
わたしをまじまじと見つめる加藤部長。
えっと、……変なことを
言ってしまったのでしょうか?
10歳は年上の男性なのに
そんな風に見えなくて困惑してしまう。
「月森さんは、本当にいい人ですね」


