「由似ちゃんって、スパンと真っ直ぐな嘘のない性格じゃない?」
急にアタシの話になって
戸惑った。
話は、飛んではないよね?
「う? 竹を割ったような、とかよく言われます」
でもソレ
いい意味じゃなかったような。
「由似ちゃんに一年くらい経ってから、一緒に仕事しててオレのそう言うの困ってないか聞いたことがあったんだよね」
聞かれたっけ?
あまり覚えていないな……。
「そしたら、『それが可児先輩だからもう慣れました』って言われて……、今まで、気味が悪いとか馬鹿にされて、ついていけないとかずっと言われて来たから、救われた気持ちになったんだよね」
「……」
「こんな真っ直ぐなキレイな子を、誰にもとられたくないって思っちゃダメだった?」
今まで見せたことのない
とても哀しい笑顔だったから
アタシはあわてて頭を横に振る。
キレイと言う形容詞が
自分に初めて使われたことに
緊張しつつも、嬉しさが心に沁みる。
「由似ちゃん、……仕事の時以外のオレも、ちゃんと好き?」


