恋する24時 2


「先輩ヒドイです、そもそも何でこんなこと……」




 今まで言った『好き』が

 まるで自分に返って来るように

 アタシの頭をどんどん埋めつくしていく。



 鼓動はうるさいし

 顔は熱いし、クラクラしてきた。




「……だから、絶対にフラれないように、好きになってもらいたくて、いっぱい考えたヤツ」



「……」




 絶対必勝恋愛ゲーム、だっけ?




「全くモテたことのない、アタシに何でここまでするんですか?」



「由似ちゃんが気付いてないだけで、ちゃんと見てる男はいたよ? 言わないけど」



 先輩は、不機嫌な顔で横を向いて

 一口スープを飲んだ。



 こんな先輩を見るのは珍しい。




「……オレって、こんなじゃない? オンオフが激しいとか、人格とか日によって違うとか、話が飛び飛びとか、仕事だとマシだけど、プライベートは思ってたのと違うって、よく言われちゃって……」




 確かに、仕事モードのみの

 カッコイイ先輩を好きになってしまったら

 ゆるゆるで残念な先輩や

 天才モードで話さなくなる彼を見て

 困惑するだろうな……。