可児先輩の表情も
何とも言えない感じで
照れを隠すように、口元を両手で覆う。
「次ね」
と目の前のテーブルに
100円を置いてくれた。
そうだ、まだアタシは
可児先輩にきちんと好き、を
伝えてないンじゃなかったっけ?
今度、ゲームじゃなく伝えたいな……。
どお言えば、喜んでもらえるかな?
「……いつも気にしていてくれて、ありがとうございます、大好きです」
つい日頃のお礼を込めて
言ってみたけど
後輩感がまったく抜けてない
感じになってしまった。
「……ゆ、由似ちゃんゴメン、最後は普通でお願いシマス……」
100円を置いて
先輩は下を向いたまま言う。
普通? 珍しいな
いつもは、
面倒くさいくらい注文してくるのに。
「……好き、です」
シンプルにして
無表情に戻った先輩の目を見て言う。
ふぃ、と視線を落として
可児先輩は、残りの100円を
アタシの目の前のテーブルに置いた。


