恋する24時 2


 可児先輩の表情も

 何とも言えない感じで

 照れを隠すように、口元を両手で覆う。




「次ね」




 と目の前のテーブルに

 100円を置いてくれた。



 そうだ、まだアタシは

 可児先輩にきちんと好き、を

 伝えてないンじゃなかったっけ?



 今度、ゲームじゃなく伝えたいな……。

 どお言えば、喜んでもらえるかな?




「……いつも気にしていてくれて、ありがとうございます、大好きです」




 つい日頃のお礼を込めて

 言ってみたけど

 後輩感がまったく抜けてない

 感じになってしまった。




「……ゆ、由似ちゃんゴメン、最後は普通でお願いシマス……」




 100円を置いて

 先輩は下を向いたまま言う。



 普通? 珍しいな

 いつもは、

 面倒くさいくらい注文してくるのに。




「……好き、です」




 シンプルにして

 無表情に戻った先輩の目を見て言う。



 ふぃ、と視線を落として

 可児先輩は、残りの100円を

 アタシの目の前のテーブルに置いた。