恋する24時 2


 お魚も外はカリカリで

 中はふんわりと柔らかい、幸せだ~。



 最初に注文してもらった

 グラスワインが進んでしまう。




「由似ちゃんは、本当に美味しそうに食べるよねぇ」




 クスクスと、笑って

 可児先輩が、アタシの目の前に

 100円玉3枚の小山を置いた。




「今日は3枚なンですか?」



「こんなお店で、好きとかたくさん言えないでしょ?」




 確かに……、と言うか

 今から3回、言わなきゃならないのは

 アタシじゃん。



 今までとは違って

 もう彼女で……。

 本当に好きになってから

 このバイトをするのは初めてで……。




「……」




 あれ?

 逆に恥ずかしくて、言いずらい?




「由似ちゃん、いいよ?」




 い、今まで通り

 無心で、言ってみよう。




「可児先輩、好き……です」




 うっ……。

 ちょっと恥ずかしいが先行して

 先輩の目を見ていられない。




「……本当だと思うと、テレがすごいかも……」