お魚も外はカリカリで
中はふんわりと柔らかい、幸せだ~。
最初に注文してもらった
グラスワインが進んでしまう。
「由似ちゃんは、本当に美味しそうに食べるよねぇ」
クスクスと、笑って
可児先輩が、アタシの目の前に
100円玉3枚の小山を置いた。
「今日は3枚なンですか?」
「こんなお店で、好きとかたくさん言えないでしょ?」
確かに……、と言うか
今から3回、言わなきゃならないのは
アタシじゃん。
今までとは違って
もう彼女で……。
本当に好きになってから
このバイトをするのは初めてで……。
「……」
あれ?
逆に恥ずかしくて、言いずらい?
「由似ちゃん、いいよ?」
い、今まで通り
無心で、言ってみよう。
「可児先輩、好き……です」
うっ……。
ちょっと恥ずかしいが先行して
先輩の目を見ていられない。
「……本当だと思うと、テレがすごいかも……」


