恋する24時 2


「……」




 めずらしく、先輩の方が

 視線を横に外して

 また、オードブルを口にする。



 メチャクチャ怪しい。



 アタシは、じぃっと

 先輩を見つめ続けた。




「……」



「……」




 丸め込まれないように

 しっかりしなくては。




「可児先輩? アタシ、譲りませんよ?」



「……」




 そろそろ観念しても

 いいンじゃないですか?




「……絶対必勝恋愛ゲーム」



「はい?」




 な、何なんだろう? その

 神社のお守りみたいなゲームの名前は。




「何ですか? その不可解な名前の、……ゲーム?」



「……由似ちゃんが、アルバイトの時やってたゲームをまとめたヤツ」



「……?」




 どおやら先輩には

 ネーミングセンスがないらしい。




「それで、そのゲームで何をするつもりだったンですか?」



「……」



「先輩~?」




 ぷいっと、横を向いて

 先輩が、ムゥ顔で言う。




「……由似ちゃんに、……オレを好きに、なってもらう為です……」




 ふぇ?