「……」
めずらしく、先輩の方が
視線を横に外して
また、オードブルを口にする。
メチャクチャ怪しい。
アタシは、じぃっと
先輩を見つめ続けた。
「……」
「……」
丸め込まれないように
しっかりしなくては。
「可児先輩? アタシ、譲りませんよ?」
「……」
そろそろ観念しても
いいンじゃないですか?
「……絶対必勝恋愛ゲーム」
「はい?」
な、何なんだろう? その
神社のお守りみたいなゲームの名前は。
「何ですか? その不可解な名前の、……ゲーム?」
「……由似ちゃんが、アルバイトの時やってたゲームをまとめたヤツ」
「……?」
どおやら先輩には
ネーミングセンスがないらしい。
「それで、そのゲームで何をするつもりだったンですか?」
「……」
「先輩~?」
ぷいっと、横を向いて
先輩が、ムゥ顔で言う。
「……由似ちゃんに、……オレを好きに、なってもらう為です……」
ふぇ?


