恋する24時 2


「可児先輩、聞いてもいいですか?」



「ん~?」




 もぐもぐと、オードブルを噛んだまま

 先輩は、首を傾けて先を即した。




「あの、先輩がやっていたアルバイトのヤツって、……何か意味があったのかな? って……」




 ムグッと、口を押えて

 先輩はあわてて水のグラスを口にした。




「……大丈夫ですか?」




 慣れないお店で

 マナーも何もあったものではない。



 アタシは、あわててナプキンを

 先輩に差し出した。




「ん、……ありがと、……どうしたの? 急に」



「いや、何となく、……先輩が意味もなく、あぁいう事はしないのかな? と思い直して……」



「……もう、必要ないから気にしないでいいよ?」




 必要ない?

 何処か不穏な言葉の響きに

 アタシは、眉をひそめた。




「……先輩? それってアタシに関係することですよね? 気になって眠れなかったら困るんですが?」