恋する24時 2


 オードブルに口をつけないで

 先輩は、不安そうな顔で

 アタシを覗き込む。



 ちゃんと、安心させると言う約束を

 守ってくれたんだ。




「……はい、スゴい話でしたけど、安心は出来ましたよ?」




 1つだけ、気になっているけれど

 聞いていいのか悩む……。




「……由似ちゃん? 何か、気にしてるでしょ?」




 うっ、可児先輩には

 すぐにバレてしまうのはナンで?




「今の内に言って? 由似ちゃんすぐ我慢してパンクしそうだから……」




 先輩が、エスパー過ぎる……。




「……あのぅ、今さら何ですけど、……可児先輩は、アタシの事、……ちゃんと好きですか?」




 提案もKISSもされたけど、言われてない

 フラッシュバック対策で

 アタシの『好き』が

 ただの代償だったら悲しい。



 アタシの言葉に

 先輩がポカンと一瞬停止して

 あり得ないほど大きな声で笑い出した。



 うえぇぇっ!?




「せ、先輩、声のトーン落としてください、……ここお高いレストランですよ?」