恋する24時 2


 何故がすみません、と

 謝ってしまいたい気持ちだけど



 謝ったら隣がうるさそうなので

 とりあえず黙って

 前野さんの言葉を待つ。




「そうか、……玉井、他言無用にして欲しいんだが、とりあえず聴いてくれるか?」



「……はい」




 前野さんが語った、過去のお話は

 耳を疑うようなモノだった。



 裏で、とは言え

 とても会社がやるような

 対策とは思えなくて……。




「はい?」




 と、二度聞きしてしまうほど

 驚いた。





「ね~、ホント愚策」




 はい、本当に……。




「こっちも、退職者減らすのに必死だったんだからな!」




 確かに、失恋して気まずくなって

 会社を辞める女の子は少なくない。

 けれど……。



 来るもの拒まず

 去るモノ追わず

 そして、付き合っても放置……。



 それは先輩、恨まれるわ

 ヘンな噂は立つわ……。



 アタシにとばっちりが来るのも

 頷けてしまう。