でも、暴かれてしまった
胸が苦しくて……。
「……由似ちゃんが好きをくれたら、オレの全部をあげるよ?」
「……っ」
こんなこと言われて
グラつかない訳ないでしょう?
「……」
逃げられるものなら
逃げだしてしましたい。
「由似ちゃん……」
やさしく響く、先輩の声。
「……おいで?」
「……っ」
顔を上げて見た
可児先輩の顔は
今まで見たことないくらい優しくて
アタシは、とても泣きたい気持ちになった。
差し伸べられた両手に
自分の震える手をのせる。
引き寄せられて、先輩の前に立つと
アタシを見上げる先輩の顔が近い。
目の前に、幸せそうに笑う
可児先輩の顔。
「由似ちゃん、オレの事好き?」
「〇▼∞■〒◎△●×~」
アタシは、先輩の笑顔に観念して
頷いた。
「……はい」


