「――お疲れさま」


正典は、店のシャッターをおろしているしのぶの背に向かって言った。


「今日もありがとうね」


「じゃあ、また明日」


「ちょっと待って」


しのぶに呼び止められる。


「家まで送ってあげるわ」


「いいよ、電車あるから」


「遠慮しなくていいわよ。方向は一緒でしょ?一人増えたって構やしないわ」


「・・それじゃあ」


と、正典はしのぶの言葉に甘えることにした。