ズキズキ、ズキズキ
ダメだ思い出せない。ああ頭痛がする。
「ごめんなさい覚えてないです」
「…そっか」
仙石先輩は考え込むようにその嫌味ったらしいほどの長い足を組み替える。
まだあの涙が脳裏から離れていってくれない。
翔はひとしきり笑い終わったのか、スマホゲームをしているみたいだった。
ねえ私は正座させられたままなんだけど?
翔もスマホ置いて私と共に正座させてくれないかな、とおもう。
「なあ」
考えがまとまったのか真っ直ぐ透明な雰囲気を漂わせ私に話しかける。
「俺の女になれよ」
「「…は?」」
あまりの予想外すぎる言葉に私と翔は目が点になる。
翔は目がでかいからならないだろうけど。
「何言ってんスか、蜜くん。
え、ほんとにどうしたんスか!」
「そそそそそ、そうだよ。
何ですか急に血迷いましたか?」

