星屑が消えた日




よし!と意気込んで回れ右をすると、思いっきり男の子と目があった。


「さっきから見てたんスけど、何で教室に入らないっスか?」


「え、いやあの…?」


「具合悪い感じっス?」


「あ、いえ。絶好調です」


「じゃあ教室入るっスよー。
俺入学式サボっててちょっと気まずいんで君がいてくれて助かったっス」


私の手を掴むと何の躊躇もなく教室のドアを開ける。

果たして、わたしが悩んだ時間は一体何だったのだろうか。


ていうか式をサボってたって、ああ!
私の隣の席の人ってもしかしてこの人??


「俺は須田 翔(すだ しょう)っていうっス、翔って気安く呼んでくれて構わないっスよ」


「私は橘 飛鳥です…」


「了解っス」