驚きのあまりマリアは席から滑り落ちて、「え?え?」と困惑したように周りをキョロキョロしていたがすぐに状況を把握したらしい彼女は私の身体をゆさぶりながら、
「きたきたきたー!!!
蜜先輩をやっと拝める、このためだけに入学式にきたようなもんだよ!!」
「え、そんなに!?」
その蜜先輩とやらがいるから、何気にこの高校倍率高かったのか。
ほんとにこれで受からなかったら、私高校無かったから!蜜先輩のおかげですごい勉強したから!!
蜜先輩が私の宿敵の存在だと気づき舞台に上がる彼をこれでもかってくらいに睨みつける。
くそー!女の子にキャーキャー言われてるからって調子にのるなよ!
くそーーー!かなり顔が良いからってええええええ、と思わず叫びたくなったが思いとどまった私を褒めて欲しい。
「えっと、一応生徒会長してます仙石蜜です。
あー、入学おめでとうございます、高校生活楽しんでください終わります」
マイクを彼が持った瞬間体育館は静まり返った。
そしてそれだけ言うと一礼し舞台袖へと戻っていく、時間わずが1分にも満たなかっただろう。
隣を見ると、腑抜けているマリアがいた。
地面にぺたんと座り込んでいおり他にも何十人かそのような生徒がいたみたいで先生達は慌てている。

