思い出せなくても、兄が卒業するはずだったここで私が代わりに卒業してあげたい。


これは兄との記憶を忘れてしまった私の罪滅ぼしでもある。

そして、実はこっちの理由の方が本命だったりする。


私の問題に巻き込むのは嫌で春馬や友達には内緒でここを受験した。


西と東は仲悪いからなあ。


この街は東西南北と と地区が分かれていてこの四校はかなり仲が悪いらしい。


大体は生まれ育った地区の高校を受けるのが一般的だが稀に私みたいに他の高校を受験することもいるみたいだ。


東高の生徒のほとんどは白龍という暴走族に入る事が多く、この高校の王様は白龍の総長だと暗黙のルールがあるらしい。


だから生徒会には関わるなってことか。

王様を怒らせたら退学させられてもおかしくないから。

大丈夫だよ、春馬!!
私は絶対3年間この高校に通うよ!!!


そう決意して、体育館に足を踏み入れた。