とうとう始まってしまった。
持久走
その言葉を聞いただけでその場から逃げ出したくなる。胃の周りがうずうずする。
持久走アレルギーですか?
と質問されたら私は迷わず答えるであろう。
《Yes‼︎》
と、元気さもつけて。多分そのまま保健室へダッシュすると思う。
「前半と後半に分けて走ります。前半は遅い人、苦手な人が走りなさい。」
と先生が言う。
ペアを組んでいた塚ちゃんには、じゃあ、あかり。後半に走ってね。と言われた。
いや、なんで?
どう考えてもおかしい。
あなた、速いじゃない。
確かに遅い連中の中でぶっちぎりの1位を取って
気持ちよくゴールしたいのはわかる。
でも、そこは先生の話を聞こうよ。
人の話を右から左へ聞き流す私でも聞けたぞ。
そう思ったのも束の間。始まってしまった。
グラウンドを10周走らなければいけない。塚ちゃんは予想どうりの1位をキープしている。その他はやる気のない連中の塊だ。
塚ちゃんのタイムをはかるのは後半に走る私の役目だ。
スタスタと塚ちゃんは風のように走っていく。
そして前半グループが終了した。
塚ちゃんのタイムは9’06で終わった。
どう考えてもはやい。速すぎる。
遂に私の番が来た。スタートラインに立つと
他の女子からの視線が痛いほど伝わってくる。
いや、分かってる。前半に走りゃ良かったんでしょ?わかってる。そこまで私は馬鹿でもアホでもない。
そんなことを思っていると横から塚ちゃんが応援している姿が目に入った。
「頑張れ!あかりちゃん!」
ほっぺたが桃みたいにピンクになっている。
馬鹿なのか。
その声援、ありがたい。とても。だかそのせいで私はさっきの倍の視線を受けることになってしまった。
勘弁してくれ。
そんなことを口に出したらめんどくさそうなのでやめた。
「ピーーーーーッッッ!!!!!」
地獄が始まった。
いつものように腕を振り、一定のテンポで地面を踏む。2周目からは流石にみんなについていけなくなった。そんな自分に自分で驚いている。こんなにも体力がないなんて情けない。
思わず吹き出してしまいそうになる。
だめだだめだ。
今吹き出したらみんなに変な目で見られてしまう。
結局10周走り切ったもののタイムは12’17だ。
その日の体育は終わった。
持久走
その言葉を聞いただけでその場から逃げ出したくなる。胃の周りがうずうずする。
持久走アレルギーですか?
と質問されたら私は迷わず答えるであろう。
《Yes‼︎》
と、元気さもつけて。多分そのまま保健室へダッシュすると思う。
「前半と後半に分けて走ります。前半は遅い人、苦手な人が走りなさい。」
と先生が言う。
ペアを組んでいた塚ちゃんには、じゃあ、あかり。後半に走ってね。と言われた。
いや、なんで?
どう考えてもおかしい。
あなた、速いじゃない。
確かに遅い連中の中でぶっちぎりの1位を取って
気持ちよくゴールしたいのはわかる。
でも、そこは先生の話を聞こうよ。
人の話を右から左へ聞き流す私でも聞けたぞ。
そう思ったのも束の間。始まってしまった。
グラウンドを10周走らなければいけない。塚ちゃんは予想どうりの1位をキープしている。その他はやる気のない連中の塊だ。
塚ちゃんのタイムをはかるのは後半に走る私の役目だ。
スタスタと塚ちゃんは風のように走っていく。
そして前半グループが終了した。
塚ちゃんのタイムは9’06で終わった。
どう考えてもはやい。速すぎる。
遂に私の番が来た。スタートラインに立つと
他の女子からの視線が痛いほど伝わってくる。
いや、分かってる。前半に走りゃ良かったんでしょ?わかってる。そこまで私は馬鹿でもアホでもない。
そんなことを思っていると横から塚ちゃんが応援している姿が目に入った。
「頑張れ!あかりちゃん!」
ほっぺたが桃みたいにピンクになっている。
馬鹿なのか。
その声援、ありがたい。とても。だかそのせいで私はさっきの倍の視線を受けることになってしまった。
勘弁してくれ。
そんなことを口に出したらめんどくさそうなのでやめた。
「ピーーーーーッッッ!!!!!」
地獄が始まった。
いつものように腕を振り、一定のテンポで地面を踏む。2周目からは流石にみんなについていけなくなった。そんな自分に自分で驚いている。こんなにも体力がないなんて情けない。
思わず吹き出してしまいそうになる。
だめだだめだ。
今吹き出したらみんなに変な目で見られてしまう。
結局10周走り切ったもののタイムは12’17だ。
その日の体育は終わった。


