女の子に飛びつかれても理玖くんは相変わらず。

涼しい顔にほんのり笑みを浮かべると、彼女の腕をそっと引き離した。


「麗華……新学期早々、相変わらず大胆だな」


れ、れ……レイカ……?!

名前も華やかすぎだしっ……。


「お陰様で、連れがキョドってんだけど?」


そうさらりと言った理玖くんは、いつの間にかレイカという彼女から私に目を向けていた。


えっ⁈

……わ、私⁈


「あっ……あの」


完全に切り離された感覚でいただけあって、理玖くんのイタズラな視線にどぎまぎしてしまう。

レイカという彼女が、理玖くんの視線をたどって私に目を向けた。


「え、理玖……連れって、まさか彼女?」


完全に眼中なし。

すぐそばにいたにも関わらず、彼女は今やっと私に気付いたみたいな素振りを見せた。


こ、怖い……。

スッゴく怖いんですけど!