そんなこんなで……

あの事件後、まともに顔も合わせてない。


制服に腕を通し、可愛らしい鏡台の前で髪をとかす。


『この髪型はないんじゃない?』


なんて言った理玖くんの言葉を思い出し、三つ編みを編む手が思わず止まってしまった。


でも……

この髪型が一番落ち着くし……。


ちょっとだけ考えてみたけど、やっぱり結ばないで学校に行くのは慣れてない。

ここ何年も三つ編みでいたから、それ以外の髪型がよくわからない。

何より落ち着かないのが一番だったりする。


「いいよね? いつも通りで……」


気を取り直し、三つ編みを完成。

部屋での支度を済ませ、カバンを手にドアを開けた。


「うわぁっ!」