「はい、これ持って」


呼びつけたと思えば、大荷物を押し付けられる。

部屋まで運べという意味らしい。


「あっ、大丈夫です、自分で」


そのやり取りに村娘が慌てて手を出す。


「いいよ」


そう言って、おもしろ半分出てきた手を掴んでみた。

と、予想以上にいい反応を返す村娘。

ビクッとし、目を見開いてパチパチ激しくまばたきを繰り返す。


ほっんと……純真無垢、って感じ。


「ぁ……あ、じゃじゃあ、お願いね……」


ついでに母親までキョドった反応を見せてくれて、俺は内心おかしくて笑いそうになった。


「こっち」


そのまま手を引き、村娘を二階へと連れて行った。