開かれたのは、間違いなくこの部屋のドア。

でも、ベッドから起き上がることも顔を向けることすらできない。

ベッドの中でじっとうずくまって、ひたすら耳を澄ます。

と、開けられたドアが閉められ、トントンと足音が近付いてくるのが聞こえた。


嘘……。

理玖くんがこの部屋に?


音だけでそれを知った私は、ギュッと強く目をつぶる。

何でドアに背を向けて寝てなかったのかを思いっきり後悔しつつ、真上を向いた状態のまま、なるべく自然な寝たフリをした。

近付く足音。

ドキンドキンと鼓動が高鳴り、思わず息まで止めてしまう。

ベッドのすぐ横まで近付いた足音は、私の頭の真横でピタリと止まった。