宮城に帰っても……

しばらくは引きずっちゃうのかな、理玖くんのこと……。


当分は、きっと忘れられないと思う。

でも離れれば、顔を見なくなれば、少しずつは忘れていけると思う。

いい夢を見れたって、思える。


だって理玖くんは、夢のような、素敵な人だったから……。


ベッドの中でじっとしていると、ガチャッと隣の部屋のドアが開く音がした。

ビクッとして毛布を引っ張り上げる。

階段を下りていく足音を確認しようと再び耳を澄ませると、カチャッとこちらの部屋のドアが開けられる音がした。


えっ……?