あの晩以降、理玖くんとはロクに話しもしていない。

話すどころか、目も合わせられないでいる。

結果的にはあの晩、私は思いもよらない形で理玖くんにフラれたのだ。

合わせる顔なんてあるはずもない。

理玖くんを好きになったこと、思いを寄せてることを、告白なんてするつもりなかった。

きっと間違いなく迷惑だろうし、理玖くんを困らせる。

だから、自分の中で綺麗な思い出としと取っておくつもりだった。

私にとっての、人生初めての恋。

それは高嶺の花すぎて、到底叶うものなんかじゃなかった。


わかってた……。

でも、こんなにも苦しくて切ない……。


こんなにも心にぽっかりと穴が開いてしまうなんて思いもしなかった。