「恭二ー! 桃香ちゃん来たわよー?」


玄関を入ると、おばさんは中に向かって声をかけた。

入って早々、綺麗な家にキョロキョロ。

あちこちを見てしまう。


可愛い家だなぁ……

おばさんのセンスかな……?


「いらっしゃい! 遠くから大変だったね」

「あっ、初めまして!」


あちこち見ていると、開いたドアからこの家の主と思われるおじさんが姿を現した。

慌てて挨拶。

お父さんから聞いてた通り、歳を感じさせない素敵なおじさん。

私の想像以上の人だった。


「さぁ、中に入って」

「あ、はい……お邪魔します」

「さっきお父さんから電話があったんだ。そろそろ着くと思うって」


おばさんが出してくれたスリッパを履き、二人のあとへ続く。

リビングに入ると、そこには女の子が一人立っていた。