そろそろ本格的に冬到来。
東京の冬は宮城に比べて寒くはないかもしれないけど、十二月ももう間近。
風も日に日に冷たくなってきて、マフラーでも編んでみようかと思い立った。
しかも……自分にじゃない。
大きな声じゃ言えないけど……実は理玖くんに。
マフラーなんか編んじゃってあげたりしたら、時代遅れでダサいかもしれないなんてすごく悩んだ。
けど……私自身の気持ちの問題。
迷惑かもしれないけど、一目(ヒトメ)ずつ理玖くんのために編みたいって思った。
編んだところで渡せる勇気があるかわかんないけど……。
「ちょっとちょっとぉ! マフラーなんか編んで誰にあげる気よ⁈」
「えっ⁈」
「もしかして……理玖に、とか?」