思いも寄らない校内放送。

自分の名前が呼ばれ、一気に現実に引き戻される。

唇を重ね合わせたままピクッと反応すると、理玖くんはそっと甘いキスから私を解放した。

クスリと笑って顔を覗き込まれる。


「……顔、真っ赤」


そう言われて、今の今まで自分がしていたことに改めて恥ずかしさが込み上げた。


わ、私……

なんて大胆なこと……。


「ぁ……わた、し、行きます」


ゆでダコのようになった顔を隠す余裕もなく、理玖くんの手から慌てて離れる。

目も合わせられないまま、一目散に教室を飛び出した。