ブーイングが始まると、それを静めるようにどこからともなく賛成の声が上がった。

みんなの騒ぎが一気に静まる。

目を向けると、そこにはストップウォッチを手に微笑む、タイムキーパーをやることになった柏木さんの姿……。

私をチラリと見ると、梶田くんに歩み寄った。


「梶田くんはもう一人の候補だもんね? 代役なら彼しかいないでしょ?」

「でも麗華、梶田じゃ本城くんに合わせた衣裳入んないよ⁈」

「そんなの、別にいいじゃない。破いたってもう使わないわ」


そんな……冗談でしょ……?


そんな中、会場から拍手がパチパチと聞こえてくる。

思いもしなかった展開の中、柏木さんが私の腕をいきなり引っ張った。


「さぁ、始まるわ……白雪姫のご登場よ」


そのまま舞台へと向かって背中を押された。