そう言ってニコッと憎めない笑みを浮かべるこころは、純太の母親役みたいな存在。

どこにでもいる女子高生って感じ。

でもコイツは唯一、俺に対して変に媚びてこない。

腐れ縁なのもあるけど、唯一一緒にいて疲れない女だったりする。


「あっ、ちょっと消しゴム、貸して」


そう言って手を伸ばしたこころの胸元に、純太の視線がチラリと向けられた。

直後、どこかそわそわしだす純太。

対して興味もないけど、どうやら純太はこころが好きらしい。

わかりやすい上、あからさまなこの態度。

どうでもよくても誰だって目に付く。

現に、二人が付き合ってるなんて噂もあるらしい。


「いや、でもよぉ……俺が女だったら、理玖(リク)を彼氏にしたいと思うな、たぶん」

「……は?」


何を言ってんだコイツは……。


とか思いつつ、純太の「女だったら」の言葉にふとあることを思い出した。


「そういや、女と言えば……」