そうきたか……。


明らかに変な盛り上がりをみせるクラスに、俺は黙って視線を泳がせる。

一番前の席で立ち上がったままの桃香。

下心丸出しで、鼻の下を伸ばした気持ち悪い梶田。

それから、企みを含んだ麗華の微笑み……。


今さっき教室に戻る途中、追いかける麗華が俺の背中に向かって叫んでいた。


『それなら!私にだって考えがあるわ!』


その言葉の意味は、きっと今のこの状態を指すんだと思う。


桃香のことを口にしたのは失敗だったか……?


この状態にそう思ってみる。


麗華も麗華で、くだらないことに全力すぎる。