「物理の上條先生は今日はお休みだー。だからこの時間は授業を返上して、学園祭について話し合いをするからなー」


涙を拭いて教室に戻ると、物理のおじいちゃん先生、上條先生の姿はなく、黒板の前には担任の合田(ゴウダ)先生の姿があった。

ざわつく雰囲気をいいことに、そそくさとさり気なく席へと向かう。


「で、今年の学園祭だが……うちのクラスは演劇をやろうと思う!」

「はぁー⁈」

「嘘ぉー、センセ冗談でしょー?」


上條先生がお休みの今日の物理の時間は、どうやらホームルームへと変更されたらしい。

おかげでそれほど注目も浴びずに席へと着くことができた。

ホッとひと息つくと、さっき見た光景が頭をいっぱいにする。

ギュッと目をつぶり、机へと顔を伏せた。