「へぇ~、そうやってつけていくんだ……」

「なかなか器用でしょ、あたし」

「うん、わぁ、もうおいしそうになってきたね」

「……よっし! じゃ、続きは次の授業でやろっかな」

「本当に授業中にやるの? 先生に見つかったら……」

「だいじょうぶだいじょうぶ! 次、物理でしょ? あのおじーちゃん先生、あたしの席まで絶対こないし」

「桃ちゃぁぁーん!」


んっ⁈

純太、くん?


休み時間も残すところあと十分ほど。

材料を片付けるこころちゃんと話していると、教室のドアから純太くんが飛び込んできた。

私の名前を叫び、私の席へと一直線で駆けてくる。

何事かと純太くんを眺めながら、朝のことをふと思い出した。