「おー、いたいた! おいっ、理玖!」


昼休み。

うるさい校内から逃れて静かな場所を求めていると、うるさい声に引き止められた。


「理玖っ、おい!」

「……なぁーんだよ?」


バタバタと走ってきたのは純太。

一番やかましい奴に捜されてたらしい。


「お前、わざと俺から逃げてんだろ?」

「は? お前がうるせーからだろ」

「なぁんだよそれ! 失礼な」


今日はなぜだか朝からつきまとわれている。

朝一会って早々、「お前、あれから桃ちゃんと!」とかなんとかって言い出した純太。

面倒くさそうな流れだからシカトを貫いてたけど、とうとうここまで追いかけてきやがった。