「……ん、んっ?」
ぼさっと考え込んでいると、前からこころちゃんの真っすぐな眼差し。
慌てて我に返ると、こころちゃんはいきなりニヤリと笑った。
「もしかして、理玖のこと好きになっちゃったとか⁈」
「……? えっ、えぇ⁈」
どうしてっ⁈
「あ~……やっぱそうなんだ、当たりだ?」
「えっ、ちょっと! そんな!」
「いいじゃんいいじゃん! 何で隠すのー?」
えぇぇぇー⁈
隠すとか、そんなんじゃなくて!
「そんなんじゃないの! 私が理玖くんのことなんて、そんな」
「はいはい、わっかりやすいなー、桃香」
そんな会話で参りに参っている時だった。
カバン中からスマホの着信音が鳴り始めた。