「でも、こんなの、私……」

「こんなの?って?」

「……?」

「俺にキスされたのが不満なわけ?」

「えっ……」


きっ、き……

キスとかモロに言わないでくださいぃぃーっ!


「それはっ! そのっ……」


言葉で表すことができなくて、ブンブンと激しく首を横に振る。


私は理玖くんが好きだから……それが不満とかじゃ……。


そんな私を見ると、理玖くんは「赤くなった」なんてクスッと笑ってみせた。


「だったら、この待ち受けのままスマホ使えよな?」

「え⁈」

「それと、この画像を削除するのも禁止」

「えっ……」

「どうしても消したいなら別にいいけど……」

「え⁈ いいんで――」

「ただし」

「……?」