やっ、やっぱり……そういうことだったの⁈


とどめを刺すような言葉に、おじさんがあからさまにビクッとなったのがわかった。

顔の前でブンブンと手を振る。

そんなことないって、否定するみたいに。

すると、理玖くんはクスッと笑っておじさんに柔らかく微笑みかけた。


「ですよね? 有り得ませんよね? 冗談ですよ」


打って変わって爽やかな笑顔で理玖くんにそう言われ、おじさんはうんうんと大きく頷く。

穏便に話がまとまってきたと思いきや、次の瞬間、理玖くんは人が変わったように冷たい表情を見せた。


「でも、もし少しでもやましい気持ちがあるなら……今すぐ警察に突き出してもいいんですよ?」


究極のとどめ。

そう言われたおじさんは、一気に血の気が引いた顔になり、ダッシュでその場を駆け出していった。