退屈な日々が過ぎていく。


何もせず、ただ放心している。


僕が起きるまで、彼女は毎日来ていたと言うのに、何故3日経った今でも来ないのだろう。


明後日には退院できる。


でも、その日は夏休みの終わりだ。


栞を探せる状態になっても、もしかしたらもう自殺しているかもしれない。


心の拠り所がなくなり、また栞と出会う前の僕になってしまった。


そんな時、父親が本を渡してきた。


「あの女の子が置いていったんだ。また来た時渡そうとしたんだが……。お前は何か知らないか?」


それは、見覚えのある本だった。


青い表紙に、白い文字で『最高の人生の過ごし方』と書いてある。


何故あいつはこれを置いていったのか。


たまたまか、わざとなのか。


でも今は、これを読むしかなかった。


栞に影響を与えた本がどんなものなのか、知りたかったのだ。


それが唯一、僕の生きる気力となるから。