その声を聞いた瞬間、肩がビクッとふるえた。


「女子だけの秘密話っ」


「えー、気になるんだけどっ」

私は笑って話してる二人の1歩後ろを歩く。


茶髪で目がくりくりしてる子。

身長はある程度高いけど、犬みたい。


と、ふいに彼が私の方を向いた。


「名前なんて言うの?」

彼と目が合う。


「……瑞希」


と言ってすぐ彼からは目線をそらす。


そんな無愛想な私に彼は、よろしく!と言ってニカッと笑った。


それにペコッと会釈して返した。



* * *



謎の男子と別れてから今までで背負っていた重たいものが軽くなったような感覚になった。


「ほんとに瑞希は男子嫌いだね?」


その通り。


「ん、嫌い」


さっきみたいに無愛想で、男子を無意識に睨んじゃう。

本当に可愛げの欠片すらない。