好きの代わりにサヨナラを【蒼編】《完》

「男一人じゃ観れないからな……」

「あたしの映画観たかったの?」

そうつぶやいた俺を、ほのかはいたずらな瞳でのぞきこむ。



「……んな訳ねぇよ」

「蒼、早く行くよ!」

本音を言い当てられた俺は、気まずくてほのかと目が合わせられなくなってしまった。

ほのかに見せていた前売券を適当にポケットにしまう。

ほのかはそんな俺を追い抜いて、ショッピングモールの入り口に吸い込まれるように早足で行ってしまった。