「俺は、ほのかのことが好きだ」

あいつは何度か大きくまばたきしてから、視線をそらした。

あいつはうつむいて、両手を強く握っている。



「あたしは……」

ほのかはそう言って、唇を噛みしめる。



「今日は……帰るね」

俺とは視線を合わせずに言って、ほのかはテーブルに置いていたスマホをつかんで立ち上がった。



「待てよ」

俺はドアを開けようと背を向けたあいつの肩をつかむ。

華奢なあいつの肩を引っ張って、振り向かせた。