「辛いだけなら、アイドル辞めてこっちに戻ってこいよ」

俺の精一杯の気持ちを伝えたが、ほのかは首を縦にも横にも振らなかった。



「あとさ……俺、まだお前の返事聞いてない」

「何の……?」

ほのかはキョトンとした顔で俺を見上げる。

こいつは身体は高校生でも、頭の中はまだお子ちゃまなのか。

それとも、気づいているのにわからないフリをしているだけなのだろうか。



「言わせんなよ……」

人を疑うことを知らないようなまっすぐな瞳で見つめられて、俺は困ってしまった。

俺は自分の頭に手をやって気持ちを落ち着かせてから、もう一度ほのかを見据えた。