「ほのか、こっちに戻ってこいよ」

俺の言葉に、ほのかは顔を上げる。

クリっとした大きな瞳が、まっすぐ俺に向けられた。



「俺、お前に悲しい顔はさせたくない……
アイドルになって、自信をつけたお前の笑顔が見たかっただけなんだよ」

ほのかは横座りした膝の上に置いた手を強く握っていた。



「それが……こんなことになって、ごめんな」

「蒼のせいじゃないよ」

ほのかの声は、消えてしまいそうなくらい弱々しかった。