「幸奈、行くぞ!」


「え、えぇ!?」

奏多は私の腕を引っ張るとそのまま走り出した。


「ちょっと奏多!どこに行くのよ!」


「戻るに決まってるだろ!?
黒澤男子校に!それにしても・・・」


「え?・・・なに!?」


「こりゃあ、かなり恥ずかしいな・・・!」


走りながら見える奏多の横顔は
照れ笑いを浮かべていた。


「ホント!恥ずかしいんだから!もう!
今度からは―――」

誰もいない所で・・・


「んー?なんだー?」


「な!何でもない!何でもないからー!」