「・・・”好きじゃ”?」


”好きじゃない”って言いたかったのに
なぜか言葉にできなかった。


凛音ちゃんは私の胸元を指さし、
微笑みながら言った。


「いい?今思ってるその気持ち大切にしてね?」


「この・・・気持ち・・・?」


気持ち・・・?もしかして、
私が奏多のこと・・・好きって・・・?


「・・・な!ナイナイナイ!!」

私は大きく首を横に振った。


「ふふふ・・・!
まぁ、今は無自覚でもいいけどさ!
もうすぐ無自覚のままじゃいられなくなるかもよ~?」


・・・ピロン!

その時、凛音ちゃんのスマホから
メッセージアプリの通知音が聞こえた。


「ん?なんだろう?」

凛音ちゃんはスマホに視線を落とすと
ため息をつき言った。


「なんでこっちに言ってくるかなぁ・・・?
全く・・・お互い不器用なんだから・・・」