校舎に入ると凛音ちゃんは
真っ直ぐ教室に向かおうとした。


「あれ?理事長室とか職員室行かなくていいの?」

「あぁ、大丈夫!
面倒なことは済ませといたから!」


「そ、そっか!・・・なんかすごいね!」


「え?すごい?」


「うん!同じ理事長の子供でも奏多とは大違い!」


「そうなの?」


「だって奏多は面倒ごとを済ませるどころか、
面倒ごとを引き起こすんだもん!」


「ハハハ!確かに!そうだね!?」


「うん・・・。
私を男子校に入学させた事とかさ・・・?」


「そうだねぇ・・・。
あ!ここからは”男子校に通ってる”って内容は控えたほうがいいかも!」

教室の前で凛音ちゃんは急に小声になった。