*** 「緒都。帰ろうぜ」 「うん」 放課後、光世が僕の席にやってきたので、僕はスクールバッグを持って席を立った。 昇降口に行く途中、光世はいろんな女子と挨拶を交わしていたが、 僕は誰にも話しかけられず、もちろん話しかけず、空気のように昇降口まで歩いてきただけだ。 ……光世のように社交性があれば、僕も少しは友達が多くできたのだろうか。 そんなことを考えながらローファーを履き、正門を出た。 学校の最寄駅に着き、目当ての電車が来たのでそれに乗り込んだ。