今夜、色のない君と。




光世がそう言うと、「僕、事務作業あるから」と言って秋野さんはまた業務部屋に引っ込んでしまった。



「優しそうな人だな。秋野さん」


「実際優しいよ」


「俺、漫画コーナー行ってるから」



そう言って光世はスタスタと漫画コーナーの方へ歩いていき、早速本棚を物色している。



……さて。



光世に僕の恋相談(仮)をするつもりではいるけど、その前にもう一度あの絵を見ておきたい。



僕はクルっと向きを変えて入口扉の方を向いた。



そのまま歩いて、ここ数日間見てきたものと同じ絵が飾られているとわかっていながら、


相変わらず僕の胸の鼓動は速い。



何回も同じことを言うようだけれど、こんな気持ちになるのは、



この絵と、あの恋愛小説だけだ。