今夜、色のない君と。




「…秋野さん」


「なんだい?」


「……あの絵、どうしたんですか」


「ん?どれ?」


「あれです。あの入口扉の隣に飾ってある絵」



そう言って僕は絵を指さした。



「ああ、あれね。僕の家に長い間眠ってたみたいだから、持ってきたんだよ。この店の雰囲気にピッタリでしょ」



……ってことは、秋野さんの絵?



いや待てよ。



この間の僕の誕生日に秋野さんがくれたBirthdayカードの絵、


本人は自信気に「それ僕が書いたんだぁ」とか言ってたけど、わかるのは“HappyBirthday”という文字ぐらいで、

他は何が書いてあるのかわからなかった。



本人曰く、お花とプレゼント箱だそうだ。


小さい丸に5個の花びらを書く典型的なお花でさえ、アメーバのようになっていて、


プレゼント箱なんかは原型をとどめていなかった。